兵庫県篠山市のある寺で見つかったシロアリ被害です。
檀家様が住職様とお話しをしている時、畳の縁が食べられており、土がもった状態を見つけられました。
その方は何度かその現象を経験していて、それはシロアリの仕業だと知ってられました。
当社のお付き合いのある地元の工務店に相談され、本格的なシロアリ調査を行い、その後建物全面のシロアリ駆除処理を行いました。
何百年以上前からある由緒あるお寺ですが、今回調査した本堂と庫裏が併設された建物は約100年ほど前に建てられ、12年前に床下の大改造をされています。
柱や重要な部材だけを残し、床組材のほとんど撤去して新材木作られたので、当時は新築と同じだったと思います。
現在でも、床下の材木や敷居も写真の様に古さは全く感じられません。
床下調査をしていくと、建物中心部の広範囲でヤマトシロアリの蟻道が10個所以上確認できました。
それは束柱だけで収まらず、その上の大引けや根太材に及び、場所によれば床板まで伸びていました。
床上まで侵入してきたシロアリが畳を食べていたのでした。
建物の床面積は90坪あり、一般家屋の4から5件分あるので、その分被害箇所が多いのはある程度予想していました。
しかし12年前の比較的新しい材木や畳までが食害されているのは想定外でした。
中心部が多く食害されている理由が2つありました。
一つは建物が大きいので、床下の外側個所は通風がありますが、内部は全く無風状態であること。
二つ目に外側より内部の方が土壌高さが低く、湿気が多い環境だったこと。
その二つの条件を持つ床下内部は高湿度になりやすいです。
そのことは、材木の腐朽とシロアリ生息の促進につながります。
何回か書いていますが、床下通風が良く湿気が少ない床下環境にはシロアリの生息はゼロではありませんが、大きな被害にはなりにくいです。
シロアリも住みにくい場所より、快適な(シロアリにとっては湿気が多い)環境を好みます。
調査が終わり、お寺に写真を添えて報告書を提出しましたが、思った以上の被害状況に困惑しておられました。
改造後日が浅かったので、シロアリの事は夢にも思わなかったそうです。
あと何年か前に調査をすべきだった言われました。
シロアリは生物で自分自身で移動し、床下に入ってきます。
人間は入ってきた瞬間を見つけるのは不可能です。
やはり定期的な床下調査は大変重要です。