神戸市東灘区で建築後30年経過した木造家屋のシロアリ調査で発見した蟻道(蟻土)です。
シロアリや被害の発見能力は、一般の方と私達とではどの程度違うのでしょうか。
一番発見しやすいのは大きな被害ですが、次はシロアリが作る蟻道を見つけることです。
蟻道は過去の日記の様に線状の形が多いですが、
左写真のような形状もあります。一般の方が見つけても別段異常とは感じないと思います。
しかし潰すと木材内部は食害されて空洞になっています。
この蟻道を見落とさない能力が、一般の方との差ではないでしょうか。
シロアリは光や乾燥に大変弱い生物です。
防御の為、材木にたどり着くまでに基礎等に土や糞でトンネル状の蟻道を作り内部を移動します。
いったん木材内部に入ってしまうと、食べることに専念すればよいわけです。
専念しすぎて材木表面に出てしまうことが多々あるようです。
そうなれば外気にさらされてしまい、温室度制御の為に蟻道や蟻土を作るのです。
シロアリ発見には、この現象を見落とさないことが重要です。
しかし家全体の隅から隅まで調査し、見つけることはさすがに不可能です。
ただシロアリの生態、建物の構造を熟知し、色々な被害、駆除対策を経験してきた私たちは、
重要なチエックポイントを見落とさない能力が優れていると思います。
少しの兆候を見逃さないことが、被害を最小限に抑えられ、建物の強度劣化や金銭面を抑えることにつながります。
建築後10年以上または、過去にシロアリ対策をされて5年以上経過した建物は一度シロアリ調査されることをお勧めします。