兵庫県宝塚市で撮影したシロアリ被害です。
床板の下に取り付けた断熱材と根太材木にシロアリが被害を及ぼしています。
床下から見ても発見しにくいので、シロアリ駆除作業も難しいものになります。
断熱材を外して、初めてシロアリ被害を確認できる事も珍しくありません。
近年建築される木造住宅は高気密、高断熱仕様になっています。
その為外気温の影響を受けにくく、以前の家に比べて夏はより涼しく、冬は暖かくなっています。
そこに暮らす人にとっては、大変良い環境です。
しかしその環境は、シロアリにとってもすごしやすいのです。
断熱材には大きく分けて二種類あります。
●繊維系断熱材
グラスウール(短いガラス繊維でできた、綿状の素材)
ロックウール(人造鉱物繊維)
●発泡系断熱材
発泡スチロール(合成樹脂を発泡状に成形されたもの)
ウレタンフォーム(ポリウレタン樹脂)
こちらの家は発泡スチロールを断熱材として床板下全面に使用されていました。
地面から延びるシロアリ蟻道は2本確認できましたが、両方とも断熱材の隙間に続いています。
それから先は床下からも床上からも見ることはできません。
断熱材を数箇所カッターナイフで切り取りながら調査をすると、広範囲に被害が拡大していました。
シロアリを駆除する目的だけであれば、地面と基礎と断熱材の一部に薬剤処理をすればいいです。
しかし現在の被害程度確認と、早急に完全撲滅する為に切り取り調査を行いました。
シロアリは発泡スチロールを食べて栄養補給しているのではありません。
保温性があり暖かく、適度にやわらかいので、かじるために集まっているのです。
すぐ横においしい材木があるので、シロアリにとって天国のような場所です。
その天国の場所があるから、人が暮らしやすい家ができています。
人とシロアリの共存でしょうか。