木材表面上にはシロアリ被害は確認できませんが、ドリルで穴を開けた後に薬剤注入処理をすると別の穴から噴出してきます。
兵庫県尼崎市の築年数60年の家屋でシロアリ駆除時に撮影しました。
一般的にシロアリは材木表面より内部を多く食べます。
その為一般の方が見ただけでは見落とす場合が多く、結果完全な駆除処理が難しいのだと思います。
対して、私たち駆除の専門家はシロアリの生息や被害を発見、予知する能力が高いことです。
その能力は、長期間勉強して得たシロアリの生態や建物の環境等幅広い知識と、長い年月の現場作業によって蓄積された経験によって得られたものです。
どの職業でもそうですが、その道の専門家になる為に、大変な労力と時間と費用を使っています。
そのことが一般の方と大きく異なるところでしょう。
家のご主人は数回床下の調査をしていましたが、築年数相応の傷み、腐れ等はありましたが、シロアリ被害は無かったと言われていました。
私が調査のため床下に入って見渡し、土壌の湿気具合、床下通風の具合、材木の種類等総合的に判断し、シロアリの生息、被害が必ずあると思いました。
確かに材木の表面の蟻道は見付け難かったですが、束石と材木の境に一寸した蟻道がありました。
シロアリは木の内部を縦横無尽に動き回り、その時食害するので空洞となり、表面からは創造もつかない被害になっていました。
加圧注入した薬剤は空洞内を一瞬のうちに移動し、他の場所から出てきます。
過去の現場には2m以上離れた場所からの噴出がありました。
もう少し早く専門化が調査していれば、被害も最小限で防げたと思います。
近年シロアリ駆除剤と作業マニュアルを一般の方に販売する所があります。
新築時の予防処理であれば、書かれているとおりに行うことによって目的は達せられます。
しかし築年数が経過した家屋の処理は、シロアリ発生が無かったとしても、完全な予防処理が出来るか疑問です、
まして羽アリが発生していたり、被害が少しでもあったケースは、単純に薬を散布、注入するだけでは不完全な処理となります。
敵であるシロアリのことを熟知し、どこに生息し、被害が及ぼすか理解し、その上で臨機応変な処理が大切です。
あくまでもマニュアルは基本で、その後の応用が大切です。