シロアリ調査時良く見かける、防湿シートの上に砂をかけている床下です。
大阪府大東市のお宅ですが、表面はサラサラした砂でとても清潔に見えます。
ただ基礎の近くに透明なシートがはみ出しています。
そのシートを捲ると下の土はこげ茶色で、高湿度状態でシートの裏には水滴がついています。
ベタ基礎が一般的になる前に流行った工法ですが、私の記憶では5年ほどで無くなったと思います。
自動車が進化しているように、建築工法もすごいスピードで進化しています。
新しい工法、技術が日に日に生み出され実用化されています。
その中で長く使われる工法もあるし、逆に短期間で無くなってしまうものもあります。
無くなる理由としては、もっとすばらしい技術が出来たか、不備があったからかどちらかでしょう。
この防湿シート工法は後者に入ると思います。
床下を主の作業場所とする私を含めてシロアリ関係者の多くは、この工法が出始めた時欠陥商品だと良く話していました。
《臭い物に蓋をする》以上の悪策だと思います。
土から放出される湿気をシートで閉じ込めてしまおう発想です。(悪い物を隠してしまう)
たちが悪いのは湿気を出す相手が地球だということです。
無尽蔵にある水分が、量の大小はありますが無限に出てくるのです。
その様な場所をシートで蓋をすればどうなるでしょうか。
ある限度は閉じ込められ、それ以上はどこかの隙間から逃げていきます。
逃げたのはまだましです。
閉じ込められたものは溜まり、土壌とシートの間は高湿度どころではなく水滴になります。
幸いこの家には建築時に排出され、置き忘れ去れた廃材が無かったので良かったですが、あれば湿気て腐りシロアリの大好物の食料になります。
廃材ぐらい量を食べつくすのにそう時間は必要ありません。
次なる食料を求めて、土台や柱等家にとって大切な材木に移動するわけです。
それにいざシロアリ駆除処理する場合、シートが邪魔になって土壌や廃材を処理することが困難になります。
めくりながらの作業ですので、時間も費用も必要です。
見た目が良いと言う一利はありますが、九十九害の工法です。
無くなって当然でしょう。