昨年大阪府豊中市のマンションから発生した羽アリです。
シロアリの羽アリ発生は近畿地方では4月中旬から5月末まで良く見る現象です。
共有部分の廊下の継ぎ目から数え切れないほどの出現したようです。
3日後に調査にお伺いしましたが、写真のように大量の数が確認できました。
住民が見つけ管理組合長に知らせ、そこから管理会社に連絡が行き当社に調査依頼がありました。
その為、調査までタイムラグがありました。
調査してみると築後8年、鉄筋コンクリート7階建ての1階廊下だけの発生でした。
住民のお話では、発生初日は写真の何十倍の数が出現し、ものの10分間で継ぎ目周辺が真っ黒になったそうです。
写真の銀色部分はエクスパンションジョイント(分割された建物の接合のことで、膨張や収縮を繰り返すし、壁や床にひびが入らないようにする隙間部分)の金属カバーです。
建築図面を確認するとカバーを外せば、コンクリート間に40mmの隙間が開いています。
その空間には、シロアリが食べる材木等は無いような図面になっています。
ではなぜ羽アリが発生したのでしょうか。
今回諸般の事情で金属カバーを外しての調査は行えませんでした。
1年半後に(今年の10月)マンションの大規模補修があるので、その時に詳細な調査を予定しています。
また結果をアップします。
ただ当社ではある程度の予想をしています。
何回か書いていますが、今回のヤマトシロアリの場合、羽アリ発生周辺には必ず食料となる材木等(有機物)があります。
今回のようなケースの場合、建築時に使用された仮枠等の材木がコンクリートの間に埋まっている場合が多いです。
設計上無い物が、現場では有ることが少なくありません。
車製造工場等に比べ、特に建築分野では人間が携わる作業が多いです。
企業は限りなく100%の成果を出す努力をしていますが、悲しいかな人が動けば完全は難しいようです。
今回人間が行った一寸した不都合に付け込んだ、シロアリの勝利かもしれません。
ただ挽回は必ずできます。
今年10月にしっかりとした調査を行い、シロアリにリベンジすることを楽しみにしています。
もし自宅に羽アリが出たらどうしますか。
初めに普通のアリにも羽をもったものが生まれますので、シロアリと見分ける必要があります。
見分ける方法はシロアリとアリの違いをご覧ください。
アリであったら材木を食べることはありませんので、とりあえず一安心です。
ただ出た場所が風呂、トイレ、玄関等の隙間から出てきた場合少し注意が必要です。
理由はシロアリとアリの違いに書いていますのでぜひご覧ください。
次にシロアリだった場合はどうしましょう。
まずは落ち着いてください。
通常二三日で出尽くしてしまいます。
二点注意ですが。
羽アリがいったん出てしまうと、出れないようにするのはまず不可能に近いです。
出た場所をガムテープ等でふさがれる方がいますが、そこから出れないので別の場所から出ようとします。
出尽くすのを待つしかありません。
もう一点大切なことですが、
羽アリが出なくなってどこかに飛んで逃げたと安心したら大変なことになります。
地中等に木を食べるシロアリ本体が大量に残っています。
シロアリは人が忘れかけた6、7、8、9月の暑い時に木を食べるピークを迎えるからです。
そうならないよう専門家による調査を必ず受けてください。
羽アリに関しては羽アリ・羽蟻が発生したらをご覧ください。