大阪府堺市の家屋から羽アリが発生したと、不動産会社から連絡がありました。
二階和室の畳を上げ、床板を外すと多くのヤマトシロアリの羽アリが確認できました。(左写真)
一週間後にシロアリ駆除工事にお伺いしましたが、梁とそれを支えている柱に大きな被害がありました。(右写真)
羽アリは二階に大量に出ましたが、一階は皆無でした。
調査してみると梁と柱に被害がありましたが、床下の土台等にも無数の蟻道が確認できました。
二階に被害があるからといって、そこばかりシロアリ駆除していても根本の対策にはなりません。
基本はやはり床下です。
通常のシロアリ駆除処理と同様に土台等の木材処理と土壌処理を行いました。
普通はそれで終わりですが、今回は梁と柱の処理がありました。
畳の上の家具を移動しながら、床板を外し全ての梁と柱をチェックしながらの処理でした。
作業量も多く、床下の二倍以上の時間がかかりました。
この家の様にシロアリは床下の材木ばかり食べているのではありません。
その上の柱等もよく食害します。
壁で隠れているので被害が見つけにくいだけです。
床下から離れているのに梁の被害が比較的多い理由は何でしょう。
答えは梁材の種類にあります。
梁には松材が良く使われます。
松は、特徴である「粘り強さ」「曲げ強度の高さ」を活かして、上から荷重がかかる材として利用されてきました。
しかしシロアリが好む種類でもあります。
檜材と松材を並べておき、シロアリを放せば多くは松を加害します。
ヤマトシロアリは地上から1m以内しか生息しない。
これは全くの間違いです。
羽アリに関しては羽アリ・羽蟻が発生したらをご覧ください。