先日の枚方市の年輪とシロアリ被害の続きで、写真はありません。
今日はシロアリはなぜ木を食べるかという話です。
はじめに木材はセルロース、ヘミセルロース及びリグニンの3つの化合物から成り立っています。
特にセルロースは木材の細胞壁の主要構成成分であり、木材の強度はこれによって保たれています。
シロアリの主食はそのセルロースです。
一部のシロアリは自身もセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持っていることが確認されていますが、大多数は自分でセルロースを分解することはできません。
シロアリの腸内には、10数種類の原生生物と数100種の細菌が合計約1,000万個も生息しています。
その原生動物の酵素が植物繊維のセルロースを分解しブドウ糖を消化吸収するのです。
シロアリは財産であるマイホームを食べる時悪者になりますが、自然界では朽ちた木々を土壌に戻してくれる有益な生き物です。
近年原生動物のセルロース分解能力を有効利用しようという研究が世界的に行われています。