兵庫県神戸市北区で撮影したシロアリ被害写真です。
このお宅は毎年5月にリビング窓枠から羽アリが三年続けて発生していました。
住民の方はおかしいとは思っていましたが、二三日で出なくなるので毎年忘れ去られていました。
奥様のご友人の方から紹介されて、シロアリ調査にお伺いしました。
床上調査から始めて、すぐに左写真の様に窓枠が食害されているのが確認できました。
ここまではよくある現象です。
しかし窓を開けて外を見て瞬時に、これは大変なことになっていると思いました。
外に出て犬走り(建物外部のセメント部分)を確認すると、右写真の様になっています。
まず床下通気口が全くありません。
それに犬走りより上の高さにあるべきのコンクリート基礎がありません。
そこは通常の壁構造になっています。
一般に住宅は基礎の上に土台、その上に柱があります。
この家には基礎が確認できません。
住民にお聞きすると、12年前に1,000万円以上費用をかけて大リフォームを行ったそうです。
それ以前は犬走りが無く、土むき出しで基礎もあり、通気口もあったそうです。
しかし雨天時水が溜まるので、工務店に対応をお願いしたそうです。
問題はその対応でした。
単純にセメントを30センチ以上流し込んだのでした。
結果基礎と通気口は隠れてしまい、土台が犬走りより低い高さになってしまいました。
この事は少しでも建築に従事した方であれば、大変なことをしたなと思われるはずです。
水は低い場所に流れます。
雨水はヒビ割れた場所から土台木部に浸み、腐れとシロアリ誘引を助長します。
シロアリ駆除だけで考えると、薬剤注入処理を徹底すれば効果はあります。
しかし既に土台や柱が大変なことになっていると予想されましたので、施主に壁を捲って被害確認、補修と犬走り対策をお勧めしました。
リフォームした会社は倒産していましたし、又営業していたとしてもその様な所には依頼出来ません。
施主にお知り合いが無かったので、当社が信頼している工務店をご紹介し、復旧工事に至りました。
経過は次回アップします。