兵庫県伊丹市の古民家のシロアリ駆除作業です。
築年数は60年以上経過した土壁造の建物です。
室内の壁、床板、水周りは何回かリフォームされているようです。
ただ床下にある土台、大引け等家の根本となる材木は建築当時のままです。
写真のように蟻道が作られていて、薬剤注入の為に穿孔処理をしています。
家の方の話によれば、7年前に羽アリが発生し、その後2年ほど見かけたようです。
発生年数からすればもっと大きな被害になるケースが多いです。
しかしこの家は被害箇所は多いですが、個々の被害は軽微なものがほとんどでした。
写真の場所も見た目より被害は浅く、表面のみの被害で芯は全く健全でした。
シロアリが発生しても、被害の大小は床下環境に左右されます。
一番目は使用されている材木です。
こちらはシロアリに比較的強い桧材を使用していました。
二番目は基礎構造の違いです。
現在の建物はコンクリート基礎があり、建物強度はありますが、床下通風はそれに遮られあまりよくありません。
この家は床下にほとんど基礎が無く、強固性は前者より劣りますが、遮るものが無く床下で風が舞っていました。
桧材と通風の良い床下、この二点が無ければこのお宅は現存しなかったと思います。